学校の第23週目のまとめ:野外実習

2015-06-29

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なんで泊まらなきゃいけないの?とみんなで文句たれていた野外実習ですが、なんだかんだで楽しみました。同級生の結束を高めるという意味ではよかった。

ということで、車で30分で着いちゃうサイモンズ・タウンへ。南アでよくある自炊貸コテージに泊まります。

サイモンズ・タウンといえばペンギン。見学料のいるビーチの隣でただで見学。

青春
 
実習の内容はgo proを海に沈めてどんな魚がいるかな?禁漁区は漁業資源の保護に役立っているかな?っていうの調べることでした。

金持ちが大学に寄付した船。でも、しょっちゅう壊れてメンテが大変らしい。

冬で波高くって、野外実習は中断です。ビショビショになったし、これ大丈夫?っていう状況もあった。長靴とカッパっていう装備だったので、こいつ行けると思われたのか、しんどいポジションを任されて損な役回りでした。なので、写真もなし。

空いた時間に磯遊びしたりしました。

Cape Rock Crab 脱皮殻

指サイズの小さいヒトデDwarf cushion Starfish

学校の第22週目のまとめ

2015-06-21

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今週は修復生態学でした。なんだろうなと思ってたけど、緑化工学でした。石でマルチングとか、久しぶりに聞いて懐かしかった。

この国では緑化っていうのの基本が鉱山みたいで、衝撃だった。
ナミビア~南ア西海岸はオレンジ川(流域に鉱床がある)で運ばれてきた堆積ダイヤがあるらしくって、一般人は立ち入り禁止らしい。で、権利を買い取った会社が、大地に爪跡を残している。でもこの地域はSucculent Karooとよばれる多肉の宝庫で世界的にも重要なんで、いろいろやっているみたい。

スライドで鉱山の様子の写真をみたけど、「このクレーンのアームは○十メートル」とか、スケールがつかめない。うん、十メートルも掘っているなら、5㎝の表土って本当にうっすい皮なんだなと変なところに感心したり。狭いところででいろいろテクっている日本の法面緑化とは感覚が違う。

あとはR入門。統計はぜひとも勉強したいのでがんばりましょう。

来週は校外学習です。例年はこのSucculent Karooのあるナマクワランドっていうとこに行っていたらしいんだけど、今年はサイモンズ・タウンっていう超近場。毎年やんばるだったのに今年は糸満青少年の家とか、毎年伊豆だったのに今年は船橋県民の森とか、そのくらいのがっかり度。しかも冬、雨季、その中で船に乗ってサンプリングと、がっかり度はさらに倍・倍。

後はテストの採点がでた。わからんかった保全遺伝学は赤点ギリ。模範解答が超気になる。後2つは余裕。実はこの学校の成績の基準がよくわかっていない。100点満点、50点未満が不可、75点を超えると「大変よくできました」、それはわかった。でも、先生によっては90点台をほぼみんなにつけていたりで、謎です。

観光案内:カーステンボッシュ植物園 Kirstenbosch National Botanical Garden

2015-06-14

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ようやく行ってきました、カーステンボッシュ。岬町周辺の植物が広大な敷地に植わっている植物園です。公共交通機関は平日しか動いていないので、これまでに2度トライして失敗。1回は行けたけど、研究発表会だったので話を聞くのみで植物園は見学できず。

今回、同級生のつてで植物園に職場がある人に案内してもらえることになりました。専門家の話を聞けて超ラッキー。

植物園は非常によく整備されていてピクニックや散歩、子供を遊ばせに来ている人などでかなりにぎわっていました。ベンチも芝生広場もあるから、天気がいい日にのんびりするには最高だと思う。

 眺めもいい

で、去年にブームスラング(木に登る毒蛇)っていう名前のキャノピー・ウォーク(森の中の歩道橋みたいな)が完成して、お客さんがかなり増えたらしいです。


樹冠を見ることができる


眺めも良し。写真撮っている人多数。

結構高い。

すばらしかった。そうか、こういう方向性もありなんだと気づかされました。最初デザイン側に振ったつくりだなと思ったけど、うねうねしてるのは環境的にも理にかなってるし、強度的にも問題ないんだろうね。メンテが気になるけど。行ってみたいと思わせる作りにした時点で、勝ち。

後はマニアックな乾燥になりますが;


 絶滅種の墓標

案内してくださったのが、県の植物担当の人だったのでいろいろ大変っていう話を聞けました。ケープの植物のその中でも平地に生えるタイプは年が拡大するにつれてどんどん生息地がなくなっていると。で、ケープの絶滅危惧植物コーナーでは、

「この種の知られている生育地は2か所で、一か所は道端、もう一か所はすぐ隣が家だよ」

みたいな話が次々に出てきます。

「それって、もっと探したら生えてるかもしれないけど、開発直前に見つかったってことですか?」
「そうじゃなくって、種が多様で種によっては生息地がもともと超小さくて、そして、そういう種がいくつもあるってこと」

多様すぎて今まで実感できなかったんだけど、話を聞いてちょっとわかりました。
あれですね、京都だったかローマだったか忘れたけど、地下鉄を掘ろうとしたら世界遺産が無数に出て困るっていうのを思い出しました。

ちなみにこの県では植物担当(専門職)は一人だけで忙しいそうです。同級生はケープなのに一人なんて許せないって怒ってた。

さて、匂いコーナー

ペラゴニウム(ゼラニウムって呼ばれているやつ)の仲間。たくさんあります。
 

ミカン科なんだって!

Fan Aloe。この系のはもう何でもありです。

Gardenia thunbergii。クチナシの仲間、実はゾウ散布。

温室もあって、乾燥地の植物が植わってる。目立つのはなんといってもナミビアの植物。

ブドウ科。花の跡をみると確かにブドウ。ブドウ科って意味不明。

こういうわからない系もペロンと生えてる。

ウェルウェッチア が大量に。監視カメラもついている。

多肉もいっぱいあるので、多肉好きにはたまらないと思います。

 イチョウがきれい

外のお土産屋には非常に図鑑の充実した本屋があります。
植物園の中にこじゃれたレストランもあるので、そこでご飯をするものよさそうでした。

水草見つけた↑(滝のとこにあったので写真がやる気なしです)
これからシーズンだそうで、羊肉とシチューにして食べる用にお店でも出回るとのこと。

学校の第21週目のまとめ

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引き続き景観生態学+GIS。金曜日に8分のプレゼンでおしまい。Marxanでいろいろ遊べるんじゃないかと思ったんだけど、与えられたデータではそんなに面白いことはできないことに気づいて、「固有の植生の分布に注目した新しい保護区の地域の提案」みたいなつまんない発表になりました。

これまでにモデルを使った実習がいくつかあったけど、
「モデルは常に間違っている」
「モデルを信じるよりも、モデルの変数を動かして何がどういう風に影響するかを把握するのが大事」
みたいな教訓がいつも出てきます。ま、でもMarxanは便利なほうで、たとえば環境アセスには使えるんじゃないかと思いました。
景観生態学全体の感想としては、
「それ知ってた」
です。なにやら一般化というか難しい理論がいくつもあったけど、普通に考えればそうだよねという話が多かったです。

さて、この景観生態学の先生は今月末でオーストラリアに行っちゃいます。なので、その代りの教員募集をやっていて、候補者の人のプレゼンがあって、それが面白かった。
教員募集の流れとしては書類選考→公開プレゼン→面接となっていて、プレゼンの後には質問タイムもあるし、できるだけオープンになっているそうです。で、今回の候補者は数年前に岬町大学をすばらしい成績で卒業→ケンブリッジで博士っていう方で、かなりの数の先生方が見に来てました。

話の内容は2つで、複数種に托卵するCuckoo finch(日本語がわかんないカッコウハタオリ?)と仮親の種の競争と種分化。調査地はチョマ。もう一つはモザンビーク北部の森でのGreater Honeyguideと蜂蜜採取人とのコミュニケーション。

Greater Honeyguide(ノドグロミツオシエ)って変わった鳥で、人(と、たぶんヒヒ)を蜂の巣まで道案内をして蜂の巣が壊されたら蜂蜜 蜂の子と蜜蝋のおこぼれにあずかるっていう習性がある。で、モザンビークでは蜂蜜採集人がhoneyguideを呼ぶための「コール」があって、「コール」した方が蜂蜜ゲット率が優位に高いっていう話。「コール」は採集人の間で共通で、人と野生の鳥がコミュニケーションしていると。へー、超おもしろいって思いました。

さ、来週は再生生態学です。仕事っぽくてあまり気が乗りませんが、どんな感じでしょうか。

知らない英語がたくさん

2015-06-11

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留学したら英語うまくなるかなと思っていたけど、うまくなっている感はほとんどない。相変わらずつっかえるし、映画のストーリーだって追えないことが多いし。

意味わかんない単語も多くって、たとえばアメリカ人の同級生がChillっていう単語をよく使ってるけど何だろうなと思ってた。チルド?それって冷蔵庫の寒い部分的な?と。

用例としては 、

「あなたたちはChilledだ。」とか、
「週末の予定は?Chillするだけ?」

今日も明後日までの課題があったので学校に残っていたら、停電でサーバーが落ちちゃって、

「今日もう帰る?」
「もう、Chillするしかなくねー?」

みたいな。 どうも「まったり」「のんびり」的な意味っぽいなと思っていて、調べたらリラックスっていう意味だった。やった。当たってた!
と、いうように口語が分からないので、新鮮です。

相づちというか、肯定的な返事も


「オッケー」または「イヤー」

くらい、増やしてみても

「シュアー」「ファイン」「グレート」

くらいしか知りませんでしたが、これももっとバリエーションが。

「クール!」
「スウィート!」

この辺はOKと入れ替え可能っぽい。
家に引っ越してきたときのあいさつで、日本から来ましたっつったら、
「クール!」って返されて、思わず「くうる?」と聞き返したことも、思い出の一つです。
ま、正直言いづらいっすよね、スイート。 おっさんが使ってもいいのだろうか?(クールはだれもが使っている)。

すごい!まじで?そうそう!みたいなのもバリエーション豊富で、

「オーサム!」 (※しょっちゅう聞く)
「ファンタスティック!」
「イグザクトリー!」
「プリサイズリー!」

いやー、英語ってテンション高い。

学校の第20週目のまとめ

2015-06-07

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生活に慣れてきたということだと思うのだけど、先週と今週の違いがよくわからない。
同じように景観生態学+GIS演習は続いている。論文を読んで、話聞いて、ディスカッション&演習です。論文のネタは病気(疫学っていうの?)と景観生態学、あとはかく乱とかダイナミズムを考慮した(って言えばいいのか、動的なみたいな)保護区の必要性とか。

ここ数か月いろいろ論文が課題ででるけれど、オーストラリアのが多い。次はアメリカ。環境先進国と言われているドイツは読んだ覚えがなくて、ヨーロッパならイギリス、スペイン、北欧が多い気がする。で、この動的な自然(?)っていうとらえ方は、人の影響が強くて安定しているヨーロッパでは不要だから、オーストラリアとかで進んでいるのかと今更気がつきました。
今週の論文の感想ですが、「ミシシッピデルタには人は住むべきでない」とか「500~1000年に一度レベルのかく乱を想定した保護区の設計」とか、そうなのかもしれないけどさ、みんなをどう説得するのだろうと。

さて、週末は市民参加(英語ではCitizen's scienceっていっている)のモニタリングの話を聞いてきた。日本で環境省がやっている「生き物ログ」のみたいのです。で、南アでは政府じゃなくって岬町大学の生物統計部門が仕切ってて(http://vmus.adu.org.za/)、それの研究者とコアな市民の意見交換会みたいなのです。

で、市民向けということで、研究者も話が分かりやすい&うまくて面白かった。目的が啓蒙とか意識啓発ではなくて、研究者が分析でつかうデータを集めている。で、そもそも分布情報が不明な種とか、季節的な地域のわたりとか、気候変動のベースのデータとかそういうのです。
コンピューターが発達して、ビッグデータのなんとかみたいなのにも活用するみたい、というかそれのデータ収集的な位置づけのよう。

そのうちの一つの定点撮影を使った植生モニタリング(http://www.pcu.uct.ac.za/pcu/resources/rephotosa)。100年とか前の写真と同じ場所で同じ角度で写真を撮るっていうやつ、授業でも聞いていたけどどうやって解析するんかなと思っていたら、GISらしい。(たぶん)ジオレファレンスで写真をできるだけ合わせて、白黒にして2枚の写真の同位置のピクセルの明るさで回帰して、画像を引き算っていう方法みたい。なるほど、そういうやり方なんだ。
見ていて自分でもやってみたくなります。

最近は雨ばかりで寒いんだけど、週末は晴れたので近くのロンデボッシュ・コモンっていう住宅街のなかの原野へ散歩に。

周囲5㎞。走ってる人もいっぱい。

雨のあとで、花が少しでてきてる。でも科すらわからん。

カタバミの仲間Oxalis hirta じゃないかと思う。

Oxalis purpurea ?

Spoloxene aquatica(キンバイザサ科)でいいのだろうか?
図鑑には湿地に生えるってあったけど 、原野です。

学校の第19週目のまとめ

2015-06-03

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しんどかった気候変動はおしまい。次はコース最大の難所とも噂される景観生態学+GISです。で、結構覚悟してたけど、普通でしたね。

午前中講義、午後実習っていうので、午前の講義は論文を読んできて、話聞いて、ディスカッションっていうパターンです 。先生の論文の選び方が面白くって、「生息地の断片化は証明されていない」「コリドーは役に立たない」とか、「スケールは大事」っていう論文を読んだ次の日の課題は「いや、スケールよりマトリックスだろ」ていう論文だったりと、挑戦的でした

午後の実習はArc viewとMarxanっていうソフトを使って、西ケープ州の保護区の提案っていうです。Arc view込み入った操作はわかんないから大丈夫かな?と思ってたけど、思ったより普通。その昔全然わかんない状態から格闘したことが役に立つとはわからないもんです。

Marxanっていうのは種(というか保全の対象)分布データ、既存の保護区のデータ、保護区取得のコスト、そしてどのくらい妥協できるかっていうのをぶち込んだら、ここを保護区にしたらいいとおもうと考えてくれるソフトらしいです。ま、詳しくはわかんないですが賢いみたい。

週末はヘビの扱い講座にいきました。詳しくは書かないけど、かなりすごかったです。

講習会の会場は環境教育センター。すごく充実している施設というわけではなさそう。

でも、ヒョウの剥製がある

 センザンコウ。これも、ここにいないっしょ。

箱にしまうまでがヘビ使いです