三番瀬再生国際フォーラム

2008-01-30

三番瀬再生国際フォーラム
2008/01/29 10:00-17:00☆幕張メッセ国際会議場(千葉市幕張)

★プログラム
・あいさつ(千葉県知事)
<基調講演>
・オーストラリア シドニーのボタニー湾タウラ海岸とラグーンの修復・再生について
・三番瀬:世界的視点から見た、国際的に重要な湿地の懸命な利用について
<三番瀬、生物多様性についての説明・発表>
・三番瀬のこれまでの歩み、県三番瀬再生計画紹介
・ちば生物多様性県民会議での私の活動報告~三番瀬と川と里とをつなぐ生物多様性を求めて歩いて見えたもの~
<分科会>
1:藤前干潟保全の過去・現在・未来~三番瀬保全と東京湾再生へのエール
2:海の生物多様性の宝庫~珊瑚礁の再生・保全に向けた沖縄・八重山での新たな取り組み
3:千葉モデルの原点~三番瀬円卓会議、そして三番瀬再生会議を振り返る
<総括パネルディスカッション>
・これからの三番瀬の保全・再生と住民参加

★参加者は300人程度、午後になると1/4位減。16:30ごろ退席。平日昼ということもあり、スーツを着た男性が多数派。その他50代以上の男女も多数。☆会場は大変に立派、同時通訳あり。基調講演の演者は英語で発表。☆午後の分科会は1~3から選択。当日申し込みは1または2から選択で、私は「2:石西礁湖」を選択☆その他会場外のスペースに写真等の展示あり。

★三番瀬とは東京湾の湾奥部の浦安・市川・船橋・習志野市の沖に広がる干潟。かつて東京湾に分布していた干潟の9割は埋め立てなどで消失したが、三番瀬は千葉県富津沖などとならび現在わずかに残存するもののひとつ。カモ類、シギ・チドリ類の生息地としても知られる。☆これまでに埋め立ての計画があったが、紆余曲折あり、2001年に現在の千葉県知事堂本氏が埋め立て計画の白紙撤回宣言を行った。その後県民代表、行政機関、自然保護団体を交えた「円卓会議」が再生計画案を作成、それを受け「再生会議」を設置し、様々な取り組みをスタートさせている。☆千葉県のサイトはこちら

★千葉県民なのに、三番瀬では全国に先駆けて、自然再生法よりも早く、話し合いを通した合意形成(知事は「地域民主主義」と)の取り組みが行われていたことを知らなかった。この会議ではこれまでの取り組みを振り返ることに重点が置かれていた。☆「円卓会議」だけで2年間に22回開催し、また県は素案をまったく作成しなかったという。先行事例も少なかっただろうから、関係者の努力と苦労は相当だったろう。

★以下はノートより:
★「オーストラリア、シドニーの…」:シドニーの南部における養浜による自然再生の事例紹介。埋め立て等による湾内の流れの変化によって、砂が移動した結果、河口閉塞による水質変化や、海鳥(アジサシ)の産卵地が陸とつながったためキツネ等により捕食されるようになったなどの影響がでたと。これを元に戻すため養浜工事を実施。港・空港・レジャー・先住民の文化的遺産などとの軋轢と合意形成。今後も10年に一度くらい同様の工事を行わないと維持できないとのこと。
★「三番瀬:世界的視点…」:韓国の「セマングム(wikipediaにリンク)」はシギ・チドリの重要な生息地かつ、漁業活動が行われているところであるが、干拓工事により消失しそうになっている。シギ・チドリ類は採餌方法などhighly specialized。鳥類は環境のhonest indicatorである。また、「ウェットランド・人々・鳥はひとつ」であると。また、韓国と日本の環境意識の違いについてもコメント。
★「石西礁湖…」:石西礁湖はクリアランス船・白化・赤土・オニヒトデ・レジャーなどによりサンゴが危機的状況にある。自然再生事業が行われているが、会議の参加者が98名もいるので合意形成が大変である。ワークショップ、部会、ワーキンググループと分かれて討議している。漁業関係者は3名のみで陸の人が多い。☆はじめに「会議のルール」を作成した。時間は守りましょう、他人の発言の尊重…☆島の生活を考慮した会議の進め方

★日本人が話し合いに詰まったときどうするか?という話が面白かった。酒をのんだり、ご飯をたべたり。その他一緒に汗を流すのがいいんじゃないか?と。★最近は三番瀬に対する県民の意識が薄くなっているのではという意見があった。もっと広報が必要なんだという指摘もあり、そうなんだろうなと納得した。

0 コメント:

コメントを投稿