学校封鎖 3

2015-10-27

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まだ封鎖中です。先週金曜日に大統領が学生代表と学長たちと話し合いをし他結果、来年の学費の値上げは撤回されました。なので、月曜日から学校再開かと思いきや今度は外注契約(アウトソーシング)が問題になっているみたいです。

学費値上げ、あっさり撤回されてちょっと驚いて、
「うるさいなー、わかったよ」的な
考えによって結論をだしたんじゃないの?と疑ってしまうような感じです。

この時点での多くの学生の関心は、学費そのものだけでなく社会の不平等とそれを拡大する大学のしくみにあったはずですが、その点についての話が特にありませんでした。また、「値上げしません」宣言を学生の目の前ではなく、テレビで放送したことで大統領の株はさらに下がっている状態。もうちょっとうまいやり方があったんじゃないかなと思います。

アウトソーシングは何が問題なのかよくわかんないんですが、通学バス、警備会社、掃除、寮の食堂などなどすべてのアウトソーシングが停止されています。日本と同じように警察は大学の中に入ってこないので、警備会社なし→無防備っていうのがちょっと怖い。
月曜日に来たある先生からのメールでも「あおりたいわけじゃないんだけど、学校に来る人は十分に注意してください。ノートパソコンとか高いものは持ってこないように。」とか。
といいつつ、うちのPCでは仕事が進まないので、学校の部屋に鍵かけて電気も消して作業中です。

学校封鎖 2

2015-10-23

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月曜から岬町大学は封鎖されているんですが、今日もまだ封鎖されっぱなしです。
数人に話を聞いたり、ネットで見たりしてようやく雰囲気がつかめてきたんだけど、毎日風向きも変わるから、結局「気分」まではわかりません。

<簡単な前提条件>
  • 反対運動は来年の学費の約10%値上げに対して学生が大学に対して反対するところから始まった。
  • 南アの大学は政府からの助成金は減少傾向、一方学生数は増加傾向にあり、学生一人当たりの予算が減り続けている。今回の値上げは予算の不足分を学生の支払いに転嫁するもの。
  • ちなみに、南アは結構なスピードでインフレしてるのと(約4%)、通貨ランド安もあるので、業務の効率化など大学の努力だけでが予算不足を吸収するのは無理。
  • 南アは世界有数の格差大国。
  • 岬町大学の学部の入学基準は社会格差の是正を意図して、白人に厳しく、黒人により大きく門戸を開くように設定されている。
  • 岬町大学の学部の退学率は人種によってかなり違うらしい。具体的な数値とか退学の理由は不明だが、経済的理由で退学する黒人は多いんじゃないっていう噂(調べたらわかるのかも)。
  • 学生に対する奨学金は足りていない。学生のバイトは家庭教師が代表的。そもそも失業率が高い南アなのでレジ打ちとかファスト・フードの店員とかは学生向きではないのかも。貧しい家庭出身者は学費をローンで賄っているのか?
<これまで>
  • 反対運動はヨハネスブルクのWits大学で始まって、月曜日に岬町大学を含むいくつかの「いい」大学でも発生。さらにその後ほぼすべての大学へと波及。
  • 学生は10%値上げすると貧乏な学生は退学しなくちゃいけなくなるんで、教育機会の平等を求めて反対。
  • 岬町大学は木曜日に貧しい家庭出身者に対しては値上げをしないことを提案。また、政府にお金をもっとくださいとお願いすることに。
  • 反対運動をしている学生のうち過激なのは某政党の手先という噂。
  • 月曜日は学校を非難していたが、徐々に政府・社会全体への批判へと重心が移ってきたような印象。それに合わせて、多くの学生・職員を巻き込むようになっているような印象。
  • 学校だけじゃなくて国会前でもデモをしている。これは某大学が学生が物を壊すんで完全にシャットアウトしたせいもある。
 さ、この後どうなるんでしょうか?
学校で作業できなくなるから困るなーと思ってたんだけど、せっかくの機会なので観察しています。
昨日の学生集会みたいのは3000人くらいは来てたんじゃないかな。

今日の午前中は先生のデモがあるっていうんで、見てきました。

デモ用の赤いガウンをレンタルしてた。


1500人前後じゃないかな。

最後は学長室のある建物でスピーチしてた。

最初の主張はあれ?って思ったけど、徐々に的を得た議論になってきたと思います。
とはいっても、政府にお金がたくさん余っているわけではないこの国。実際にお金を調整するのはどうやってなのか、誰がやるのか、どこの予算を学費に回すのかなど、問題を「政府」に持って行ったところでどうなるんだろうか。

出身に関係なく優秀な人にはいい教育をっていうのは賛成。ただ、大学の教育は無料(=社会が負担)であるべきかっていうのは、どっちなんだろうか。

学校の第38週目のまとめ

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学会から帰ってくるとちょっとハイになるというのか、一時的にやる気のターボがかかるというのか、頑張っちゃうというのはやっぱりここでも同じ。TIMESATっていうソフトと格闘→アウトプットのデータをRで操作っていうやり方を理解するすることができた一週間でした。なんで、毎日PCに向かう地味な日々です。

週末は天気がいいんで海に行ってきました。ミュイゼンバーグに行きたかったんだけど、同級生がコーク・ベイに行きたいって主張するんで両方行ってきました。電車でGO。
 
コーク・ベイの漁港をとりあえずチェック。
相変わらず売っている魚は古そう。Red snapper、ブリ、カツオ、Hottentotが売ってました。
カツオって英語でなんていうのかな?って聞いてみたけどTunaって言われた。

いつも通りオットセイが寝てます。 

漁港の横のフィッシュ・アンド・チップ屋で昼飯。

ホッテントット+ポテト(近海もののタイ科)がR35(=300円)とスペシャルだった。
量多すぎて気持ち悪くなりながら完食。

コーク・ベイの街は古道具屋とかカフェとか女子力の高い店が軒を連ねます。自由が丘とかそんな感じ?行ったことないけど。覗いたら面白いんだけど、一人で来てたら入らないね。
海沿いをミュイゼンバーグまで歩きます。


 
 こいつが大量に漂着してた。きれい。

これはいつも見かける。カツオノエボシ系。

岬町は春は終わって夏に入ろうとしています。学校内の花壇もきれいです。

 

学校封鎖

2015-10-20

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月曜日学校に行ったら、なんか様子がちがう。話を聞いたら学校に至る道路を学生が封鎖してて、職員が出勤できない・学生が登校できない状態だとか。我が家は学校から歩いていけるから気がつかなかった。

でも、無視してパソコンでデータの整理をしてたんだけど学校はガラガラだし、質問をしに行ったGISラボにも誰もいない。研究室に戻ってみたらほかの院生が話してて「ありえなーい!」とか言ってます。

一斉メールで
「今日は出勤・登校ができないので授業は休講、学校はすべて休みです。なお、残っている職員と学生は安全が確保できるかわからないので速やかに帰宅してください。」
っていうのが来てた。安全の確保って・・・。

我々大学院生は学校でおこっていることに疎いんですが、今回も「なにこれ?」「ってか誰が反対してるの?」「主張は?」とか、よくわからないままとりあえず帰宅。で、帰ってググってみたら学費が来年10%くらい値上がることに反対する運動だったみたいです。

しょうがないから必要なデータをドロップボックスに移して家で作業。夕方ちょっと散歩に出たら、学長室のある建物の前で学生が集まってました。そこの建物は家から近いんで、歌声が聞こえてきます(こっちの反対運動は歌+ダンスが基本です)。

で、夜。 寝ようと思った12時30分ごろ、

「パン!パン!」

っていう明らかに武器系の発する音が。
え、まじで?とビビりましたが、どうやら警察が「スタン・グレネード」を使ったみたいです。
同居人の一人も見に行ったみたいけど、下の大通りまで学生が押し寄せたんでそうなったみたい。逮捕された人もいるらしい
一番便利な情報源はツイッターで「#岬町大学を封鎖せよ」っていうので見られます。

で、今日も予想通り休講です。タイヤ燃やしているっていう噂だったんで、事件が起きている現場へちょっと散歩に。

しーん。

学長室のある建物

あれ?みんなどこにいるんだろう?
話題から離れている我々はよくわかんないです。この運動は岬町大学だけじゃなくって、南アの「優秀」な大学でも同時発生しているみたい。

背景には例の根深い問題と積もった不満があるんだろうけど、前回の銅像問題と比べてつながりがよくわかりません。学校が始まったら聞いてみます。

学校の第37週目のまとめ

2015-10-11

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乾燥地の生態系に関する学会に行ってきました。場所は北ケープ州のスプリングボック。岬町からは車で爆走すれば5時間くらい。

北に行けば行くほど乾燥している。
流してたボブ・ディランが風景にマッチしてた。

 岬町周辺はフィンボスっていう変な植物がいっぱいある地域?なんだけど、ちょっと北に行くとサキュレント・カルーっていうのに変わります。この移り変わりは日本でいうと照葉樹→落葉樹みたいなもんです。サキュレントっていうのは多肉っていう意味で、このサキュレント・カルーはこれまた変な植物の世界的な宝庫です。

で、途中の特に宝庫なとこで休憩。




どれも同じハマミズナ科、日本でも売っているコノフィツムとか、リトープスとか生きてる石系のはこの地域がふるさと。こいつらはここで(地質の人が言う)最近急激に多様化したことが分かってます。実物見ると盛り上がります。

先生がこの辺の田舎に別荘を持っているってことなんで、そこに泊まります。
別荘は全く豪華でなく、普通のそこら辺の人の家と同じ。

  ベンケイソウ科の何か

次の日はなんか農業プログラムとか緑化工事とか見に行きます。
乾燥(雨は150-300mm/年)してて暑いんで、なかなか植生がもとに戻らないそうです。100年とか前に耕したとこの植生は、いまだに周りと違っていたり、車で回るだけでもよくわかります。
ま、それとは関係なく植物とかの写真を撮りまくります。
 Malachite Sunbird
 ハマウツボとかの仲間の寄生する系

で、学会はGoegap保護区っていうとこでありました。この地域はアフリカーンス語圏なのでGoegapていうのは日本語では表せない読みです。gはドイツ語の喉の奥のカーっていう音とたぶん同じ。

オリックス(南アではGemsbok)。
アラブの国にもいるくらいだから乾燥に強いんだろうね。

この保護区のスペシャルはこれ↓
 アロエ Aloe dichotoma

乾燥してて鼻くそがたくさんできる。景色は雄大。


適当にポスター発表して、帰ります。数名と話ができて有意義でした。
帰り道も寄り道します。

 Euphorbia caput-medusae メデューサの頭のユーフォルビア。
トウダイグサ属もめちゃくちゃ。

***ちょっと追加:

週末岬町のお台場ことウオータフロントで日本映画祭っていうのがあったから、同級生と行ってきました。ちなみにこの同級生は来年日本の学校で英語を教える(AET)プログラムに応募している日本好き南ア人。無料で映画が見られます。

いやー、土曜日の「桐島部活やめるってよ」、超おもしろかった。ここ数年観た映画で一番楽しみました。同級生の感想:

「日本の学校ってさー、みんな同じ制服着てて人種も一つでなんか気持ち悪いね。」
「日本ってビンタよくするの?」 

同級生が言うには、南アでも学校のグループみたいのはあるらしいです。「体育会系部活」「おたく」「スケーター(スケートボードとかやってる)」とか、で女子は陰険って言ってました。

見たことを誰かに話したくなっちゃう映画で、ほかの人どう思ってるんだろうってレビューを検索してみました。これ、青春の映画だなーと思ってたけど、町山智浩の普遍的な映画っていう文を読んで、僕って声のかからないドラフト待ってる野球部みたいな人生を送っているのかって気がついちゃいました。

で、面白かったんで、日曜日も見に行ってきた「麦子さんと」。
堀北真希のアイドル映画でした。同級生の感想:

同:「なんで49日間は家に骨を置いておくの?」
俺:「わかんない。」

同:「日本ってビンタよくするの?」
俺:「されたことはない。」

文化交流に役立てなかった気がします。

学校の36週目のまとめ

2015-10-03

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今週はようやくダウンロードが終わって、適当なPythonのスクリプトをくっつけて必要な部分の画像だけを切り出す→TIMESATっていうパッケージに使える形式に書きだすっていうのをやっていました。まあ、PCに向かって、「うー、わからん!」→「あ、こうしたら行けるかも…」→「やっぱだめだった」というようなサイクルを繰り返す、地味な日々です。

それと来週はSpringbokっていうナミビアに近い町での学会(?)に連れて行ってもらうんで、その口実となるポスターを作ってました。研究はじまったばかりで発表することないんだけどね、いい勉強になるから作りなさいと先生が勧めてくださったので作ります。

今週のトークは、乾燥地の放牧地における動物による被食圧を数列のモデルで考えるっていうのを聞いたけど、95%以上理解できませんでした。残念です。

日曜日に学会へと出発なので、週末はゆっくりなにもせず。

ここのところ次々と同級生がフィールドへといってしまうので、さみしい(+くやしい)です。 残っているのは3人で、GISでハゲワシの営巣適地を探すCさんと、岬町でのハイタカの病気/寄生虫の感染率と都市環境の関係を調べているJさん。残っていたうちのひとり、Hさんもついにフィールドへと出発しちゃうんで、センチュリー・シティーのモールまでご飯に行った。

下着のファッション・ショーやってた。やっぱり、南アは違うね。

学校の第35週目のまとめ

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勉強ですか。この週はダウンロードに明け暮れていました。
15年分、16日ごとにまとめられているデータ×2で700以上のファイルを落とすので長時間かかりました。一応大量ダウンロード用のソフトがあるんだけど、どうも岬町大学の方で大量ダウンロードに制限がかかるような設定にしているらしくて、途中から遅くなる&突然接続切られる。なので、結局地道にクリックしまくって主導でダウンロードしました。これだけで二週間くらいかかっちゃったよ。

木曜日はHeritage Day(遺産の日?)っていうよくわからない祝日でした。それぞれの文化をたたえあおうっていう日みたいです。同級生に聞いてみました;

私:「Heritage Dayって何の日?」
同:「シャカ王の死んだ日で文化の日なんだよ。」
私:「なんで死んだ日に祝うの?」
同:「うーん、わかんない。しかもシャカ王は暗殺されたんだよね。」

ちなみにシャカ王っていうのはズールー族の伝説的な歴史上の人物でスパルタンな軍事国家を作り上げました。ググってみましたが、シャカ王の殺された日はこの日の2日前みたいでさらによくわかりません。ま、よくわからないけど休みなのでいいと思います。

同居人:「とにかく、Heritage DayはBraai(バーベキュー)の日って決まっているの」
私:「ふーん」

ということで、同居人+同級生でバーベキューしました。南ア人の白人の多くはほぼ毎週末バーベキューしてるから、Heritage Dayはあまり関係ない気がする。

この週のトークは鳥の音声コミュニケーションの話に行きました。
内容は海鳥みたいに集団繁殖する種には音声が繁殖に入るの引き金としても重要。で応用例としては、再導入とか動物園などでの人工繁殖でも音声を導入すると成功率が高まる種があるという話。動物園では繁殖に参加する個体数が一定の数を下回ると、繁殖しなくなっちゃう種もあるそうで、そういう時は安上がりで、効果があるかもしれないテクとしていいんじゃない?っていう話。
話してたのはアメリカ人で学部時代の専攻はオペラっていうちょっと変わっていた人で、プレゼンというよりステージパフォーマンスというのか、コメディアンみたいで面白かったです。アメリカっぽいなーって思いました。

週末は土曜日はカポエイラの映画を見に行った。
面白かったです。今の社会では文化は先生から弟子に同じものが伝わっていくっていうことよりも、よくも悪くも影響しあって変化し続けるって考えた方が自然だそうです。そうかも。

カシャーサがあった。

日曜日は近所の原野へ。

久々にいったら花畑になってた

盛りは過ぎてたけど、きれい。

イメージフォトを撮ってみたり。黄色い菊系と白いアヤメ系がメインです。

コバンソウみたいのいろんなとこで見るんだけど、外来なのかな?


アマサギもメルヘン調


球根系も結構あったけどタテの写真なんで省略。これはアヤメ科の何か、調べないと。