終わりの見えない・モ国人のおっさんとつるむ

2016-10-25

4 コメント
ハイレベルな街でワイン・テイスティングとかしていた間に、岬町大学は大混乱を迎えていたようです。スタン・グレネードとか警備員とかそういうので、日本の70年代はこういうのだったのかな?とかね、生まれていなかった過去に一瞬思いをはせてみます。

結果としては岬町大学再び封鎖。
そもそも先生方が半分以上学校に来てないんで、学生もどうしたもんだろうと。岬町大学としては、ネットで授業のビデオや資料を配布してコマ数の不足分を乗り切り、延期するけどテストはやるという方針のよう。

ラジオのニュースを聞いていたら、別の大学は空軍基地でテストをやるところもあるそうで、うーん、それなら警備は厳重そうだなと思ったり。

さて、この反対運動にはうんざりしていてどうでもいいやと思っているんですが、学校にいなかった間に何が起きたのかを把握するために、理学部の対話集会に行ってみました。
テーマは

「カリキュラムの脱植民地化」

退屈でした。

先生と学生のパネルディスカッションでしたが、「脱植民地化した大学の科学教育」が何か知っている人は誰もいなかったみたいです。生物学科でも?ですが、数学科になると???くらいだよね、きっと。
集会では科学の間違いの歴史とか、疑似科学と科学みたいな話していましたが、現在の岬町大学のカリキュラムとは関係が薄い感じでした。

ところで南アの政治はここ数年、特に今の大統領になってから問題が発生しまくり。

Eskom(電気), SAA(南ア航空), SABC(国営放送局)執行部への大統領のお友達指名に怪しい取引、税金を使った豪邸建設とかスキャンダル連発。これに加えて大学が機能停止の今の状態は、南アの白人層にとっては悲しいというより、恐ろしい、国がどんどん堕ちていく感覚のようです。大家さんのおばちゃんなんて泣きそうになるんで、おばちゃんの前では学生運動の話題はNGです。

終わりの始まりか、始まりの終わりかは分からないけど、それでも南アはアフリカの中では圧倒的に先進国。

さ、そんな話はさておき、最近モ国人のおっさんたちと遊んでいます。
仲良かった同級生のモ国人は帰っちゃいましたが、そのつながりでポル語教わったり、ただダラダラしたり。というわけで、ある日Bさんとライオンズ・ヘッドへ。

 パラグライダー、気持ちよさそうだった


自分の限界に挑戦中です

トップレベルの街へ行く

2016-10-24

0 コメント
岬町に住んでもうすぐ2年。こっちに来るまでは南ア=危ない・襲われるというイメージがあったけれど、身の危険を感じるほどの体験はなく平穏に過ごしてきました。夜にご飯に行ったり、飲みに行ったりすることもあるけど、タクシーを使えば大丈夫。日本と比べると治安が悪いのは間違いないけど、岬町大学の近所に限って言えば伝説になるほど悪いわけではありません。

巷で噂される世界最高峰の街、ヨハネス。今まで出かける用事もなく、用事のないままでいいやと思っていたんだけど、研究発表会があったのでついに出かけることになりました。

本当は電車で行きたかったんだけど、2ヶ月ほど前に予約しようとしたところ、
「席、空いてません。」
との返信。まじで?満席だったのか、電車が休みだったのかはわかんないけど。

というわけで、今回も飛行機で移動。これで南アLCCの3社制覇ですが、特に会社ごとの違いはわかんないです。

 
 kulula.comっていうブリティッシュ・エアウェイズ系列の会社。

ヨハネス空港から市内までは、近代的な電車ハウトレインで移動。

チケットはヨドバシのカード風

さすが南ア

 超きれいで、静か、時間通り

20分くらいでヨハネスの真ん中の駅に着きます。
地球の歩き方は「駅の周りは襲われる覚悟で行くこと」とか、ドラマチックに警告しているわけですが、ハウトレインの出口付近はそれほどでもないっすね。変な人がいるのは岬町の駅と同じですが、完全無視で突破可能です。
(国鉄の方の)駅が大きくて、出口の方向によっては負のオーラがかなり出ていたので、知らずにそっちに出たらどうなるかはわかんないけど。

で、こんな観光客が避けそうな街でも走っています、観光客用赤い二階建てバス
一日乗り降り自由、事前予約で170ランド(1200円)。気分はサファリ。

 ビルがたくさんあって都会

たまにダメなビルがあります

音声ガイド付きで日本語もあって素晴らしいんだけど、この日本語ガイドの何かがおかしい。文法は正しいんだけど、聞いてて混乱する感じ。
何がおかしいのか見極めるために集中してガイドを聞きいてみましたが、機械のように平坦なイントネーション、ぶっちゃけた話や英語的な冗談を丁寧語で説明するの2点が原因のようでした。

アパルトヘイト博物館で途中下車。展示はパネルと映像が中心で、モノは少なかったです。展示はきれいで洗練されているし、多様な視点から解説してあって内容に厚みがありました。
ただ、パネルと映像は英語、パンフレットも英語しかないし、オーディオガイドもないので、国レベルの観光施設でもあるのに非英語話者に不親切な作りだと思いました。
現在進行中の南アの大学の学生運動でも人種問題に言及されることがあるから、タイムリーで勉強になりました。長居するつもりはなかったけど、2時間半以上いて他の場所を観光する時間がなくなりました。

南部アフリカの近現代史を予習していくことをお勧めします。


 見ごたえあった

 金鉱の街で、街のあちこちに行徳富士みたいのがある

本当に大都会

おしゃれエリアにはオープンテラス

まあ、こっちに来てからヨハネス出身・在住の人にもたくさんあっているし、出張に行く人もちょくちょくいるから、言うほどじゃないんだな、というのはわかっていたけど、そうでした。ただ、場所によってはかなりの負のオーラが出てたし、バスのガイドでも

「このバス停では、係員と一緒にバスから建物の中まで移動してください」

って言ってる場所もあったんで、 まあ、それくらいです。観光客を乗せたバスが襲われたりってのはない。

ヨハネスに限らないけど、南アの街はダメなエリアと注意すれば大丈夫なエリアが分かれているから、迷子にならないように昼間行動する分には、リスクはそれほど高くない気がします。

さ、研究発表会はポスター発表だったんで気楽。いろんな発表がありました。

 学会案内バッグに入ってたヘビの資料。
PROっていうヘビ捕獲機が気になる。

驚いたこと:ポスターセッションと同時にワイン・テイスティング
ワイングラス片手にポスターの説明しました

岬町で食べるアフリカ料理

2016-10-09

0 コメント
岬町の観光地である街中にはアフリカっぽさはそんなにありません。
とはいっても、不法・合法を問わずアフリカ中からチャンスを求めて人々がやってくる南ア。国によってコミュニティーがあったり、なかったりするっぽいけど、ある所に行けばアフリカ各国の料理も食べられるみたい。

おそらく、一番目立つのはナイジェリア料理。人口の多さ、商売への情熱、なんとなく人生前のめりな感じとか、ナイジェリア料理屋が多いのは腑に落ちます。

こんなとこにもあったんだ、と先日入ってみたけどうまかった。
料理待っている間見てたら、ジ国とかDRC人とかの持ち帰りのお客さんが多かったです。
キャッサバのシマと、辛いビーフシチュ、キャッサバの葉っぱのセットで腹いっぱい。

ヤムイモを食べてみたかったけど、ないって言われた。

別の日はDさんにエチオピア料理に連れてってもらいます。エチオピアは食事がユニークで南アとは全然違うのと、主食のインジェラを家で作るのは手間なので、需要があるんでしょう。
場所は岬町の東の郊外。ガソリンスタンドの一角にお店があって、看板なし。知らないと絶対にわからない。

見てのとおりカオス系

お昼を過ぎていたけど、お店はほぼ満席。お店ではエチオピアの教会のありがたいお話しの映像がかなりの音量で流れていました。お客さんのほとんどはエチオピアまたはエリトリア人だと思いますが、テレビを真剣に見ていた人多数。


お店の一角はコーヒーコーナー。一杯7ランド。

 このお店、壁にもテーブルの上にもメニューなし。
 Dさんが店の人と相談して頼んでました。後で聞いたら、

「骨の髄の煮込みを食べたかったんだけど、なかったから羊の焼肉にした」と。

エチオピア料理は奥が深そう。
で、出てきたのがこれ↓

おかず盛り合わせ。下に敷いてあるのは主食インジェラ。

皿は直径40㎝くらいあって2人じゃ食べきれない量で、瓶コーラ2本つけて計95ランド(750円)と相当安い。おかずも多彩で、玉ねぎの甘みのきいた牛肉トマトシチュー、カッテージチーズのようなもの、からし菜の炒め煮、そぼろみたいの、レンズ豆のクミン煮などなど、おいしかったです。
インジェラは「雑巾のような味」と聞いていましたが、ここのは「酸味のあるふわっとしたクレープ」でした。

隣のお兄ちゃんが食べていたのがこれ↓

 生牛肉+真っ赤なソース

これは、インパクトあるなと思って写真撮らせてもらったところ、

「食ってみろ、うまいぞ。」

いい人だなと思いましたが、一発下痢コースだなと思って遠慮したんですが、 

「遠慮するな、うまいぞ。そんなに辛くないから。」

と、なぜか店のマスターまで

「こうやって食べるんだ」 とかお兄ちゃんの料理つまみ食いしだして食え食え言ってきたんで食いました。
思ったより辛くなくって、お肉も新鮮(っぽくって)おいしかったです。お腹もその晩若干不調の兆しがありましたが、大きな問題にはならずラッキー。

なんだか、小旅行気分で面白かったです。
厨房ものぞかせてもらいましたが、インジェラを焼くのは職人芸でした。こういうプロの鮮やかな手仕事を見るのが大好きです。


再開と思ったらまだ閉鎖

0 コメント
10月3日月曜日の朝、今日は何か起っているかな?と思いラジオを聞いていましたが特に問題なさそう。それでも大丈夫かなとながら学校に行きましたが、いつも通りの様子。
反対派が入り口をブロックしていて、いかつい民間警備会社がいましたが大きな混乱はなさそう。

 
警備員?は大学の意向で基本的に非武装だったそうです

僕も高みの見物

 動画もどうぞ。


反対派の行列を見学に行きます。


 授業に入って、仕事して、次行くぜ!みたいなことをリーダー格っぽい人が言っていた。

何人かは逮捕されてましたが、火曜日も落ち着いていたんで反対運動このまま終わるのかな?と思ったんですが、再燃。
火曜日の午後に反対派が「占拠」(学生自治議員?みたいなのの選挙期間中なので、反対派が私たちは候補者といって居座っていた)していた学生自治会の部屋?みたいなところに警備会社が突入して反対派を追い出したところ、火曜日の夜に何か燃やしたりしていたみたい。

 
燃えた後

 口にガムテを貼って、「私たちは沈黙させられている」的なパフォーマンスをしていましたが、いや、それ、俺の方に言わせてよ、って思いつつ横の階段を駆け上がります。

その後水曜日午後から再び学校閉鎖。ここにきて反対派の数が増えているっぽいです。
でももうね、日に日に反対運動への興味がなくなっていくのを感じます。
研究室の大学四年生には、

 「たぶん、今のリーダー格の学生は20年か30年たったら選挙出てるよ。どっち派かわからないけど、テレビで見て、あー、あの子今こんなことやってんだって思うから。」

とか、冷めたコメントを吹き込んだりしたりしています。
 もともとの性格でしょうか?それともDon't trust anyone over 30という言葉にあるように、おっさんになったからでしょうか?

興味があるのは、反対派の学生は何が背景で・きっかけで戦士になったのかということ。
同じことを思っている人もいて、もっと対話しよう、分かり合おう的な集会ものぞいてみましたが、まず参加者同士少人数で語り合おうって流れになったんですが、積極的な参加は勘弁してってことで退席。

さ、そんな先週とあまり変わらない1週間になりましたが、 仕事の方は大きなハードルを一つ越えました。いやー、これで道筋が見えたね。リモセンの奥深さを学びました。

岬町大学の明日

2016-10-02

0 コメント
学校封鎖は3週間目に突入しましたが、反対派と大学の対話は平行線のまま。というか、対話は成立しているのだろうか?

そもそも、今回の封鎖は3人の学生の処分をめぐるところから始まりました。
はじめは少人数だったのが、学費の値上げ問題に移り、より多くの人を巻き込んだ運動になりました。が、岬町大学は貧困世帯の学費無償化と裕福でない世帯(世帯収入60万ランド/年=約450万円)への値上げ凍結の方針を発表し、学長も学費値上げ反対といっている今、「学費値上げ反対」とか「貧困層への教育機会を守るための大学教育の無償化」のために学校を封鎖するという主張は支持を得られにくくなっています。
実際、先週理学部が実施したアンケートでは85%程度の学生・教職員が学校の再開を支持していました。

そんなこんなで、岬町大学は来週月曜日からなんとしても学校をあけます宣言。
それに対して反対派は、そんなの認めないとういうことで、明日の学校がどうなるのか、きわめて緊張感のある状態です。封鎖に備えて、データをHDDにうつしたり、週末も学校で仕事したり。

今週はいたって静かな1週間で、誰もが言っていたのは「嵐の前の静けさ。」
英語も同じ表現だって知りませんでした。

木曜日には生物学科と海洋学科の4年生以上と教職員の対話集会?みたいのがありました。
反対派・再開にかかわらず顔色や目を見てもお疲れの人が多く、特に卒業がかかっている4年生のストレスのレベルが心配です。
 集会は感情的な意見も一部ありましたが、おおむね落ち着いて進行、終わりがけに反対派集団が乗り込んできて、「これは!」と思いましたが、取っ組み合いになったりはせず、

「学長に放校処分の3人の処分を解くようメールを送ってれ!」

というのを繰り返し述べていました。 やはり、学費はもはや関係ないようです。

集会が終わってから研究室の何人かと話したけど、問題の多くは高校教育にある気がします。
高校によって教えているレベルが大きく違うそうなので、私立だったり、いい高校を卒業していないと岬町大学に入ってから落第する確率が高くなると。
で、公立高校の場合は住んでる地域(=南アの場合は人種)によって、高校のレベルが・・・ということらしい。で、落第すると次の学年に進めなくなるし、奨学金が打ち切りになったりするらしい。ということは入学の門戸を開くことで教育機会の均等を図っても、人種に偏ったおちこぼれを生み出す状態になっているっぽいということだそうです。

ところで今週から、民間警備会社がやってきています。
イラクとかにいそうな、いかついやつです。

こういうのが呼べば配置できるのが南ア。 需要があるんだろうね。

金曜日には反対派に反対する集会があって、それには「反対派に反対することに反対するデモ」もあったらしいです。

もはや何がなんだか。