南アフリカの2016学生デモを時系列にまとめる

2016-09-24

先週の木曜日から始まった岬町大学の学校封鎖ですが、本日(9/23)現在終わるめどはたっていません。いったい何が起こっているのか、岬町大学を中心として時系列にまとめてみます。

 ・8/28(日)
国の高等教育委員会 (Council for Higher Education)が来年度8%の学費値上げ(インフレ率+2%)を勧告したことを受けて、岬町大学の学長がコメント発表。学生の世帯年収に基準を設け、基準未満の世帯は学費据え置き、それ以上の世帯からは8%以上の値上げをする試案を述べる。

・9/6(火)
岬町大学の学長が、学費に関する公聴会で活動家学生に囲まれる。

・ 9/15(木)
岬町大学で反対派の学生とスタッフが授業妨害、図書館の勉強スペースで騒ぐなどし、午後の授業と図書館閉鎖が決定。学生の主な要求は昨年2月の暴動時に学校の3人の放校処分撤回。反対派は裁判ではなくTRC(真実と和解委員会)の設置とそれに対する48時間以内の回答を要求。

このときはデモ参加者はパッと見た感じそれほど多くなかった。「またやってるねー」、「3人のために学校休みは・・・」という会話を研究室の学生としたのを覚えている。なので、この後長引くとは全く考えていなかった。学校の広報でも「A group of about 200 protesters – including University of Cape Town (UCT) workers and students, and students from other universities」という記述。

・ 9/16(金)
朝に反対派が学校に至る道路にバリケードを設けたため、通学・通勤が困難に。通学バスは迂回とのことだったが、実際に迂回していたか、運休していたかは不明。昼に午後の授業中止が決定。午後に反対派の大規模集会(数百人)。 このとき大学は月曜日は学校を開けますと言っていた。


・ 9/18(日)夜
大学が 「非常に難しい決断だが、月曜日は休講」にすると発表。

・ 9/19(月)
大学職員は出勤することとの連絡だったが、休んでいる人も多かった。たぶん半分以上?午前中も小規模なデモを学内で目撃。
11時ごろ、文部大臣が来年の国立大学授業料について記者会見。来年度授業料の最大8%値上げを発表。その後、学生デモが全国で発生。

 岬町大学では午後に学生集会があり、大学への要望を決議。スタッフの賃上げ、3人の学生に対する放校処分の撤回、セクハラのない環境、自由で脱植民地化された(Decolonial)教育などの要望を決議。

・ 9/20(火)
朝に反対派が学校の北側の道路にバリケードを設けたため、通学・通勤が困難に。学校は授業をやります宣言していたが、授業妨害などもあり、結局昼前に授業中止の発表。確か、この日学長と反対派学生との話し合いが予定されていたが、不成立に終わる。夜に水曜日も休みとの発表。

・ 9/21(水)
全国的に学生でもが激化。デモの争点は授業料にシフト。特にヨハネスブルクのWits大学(岬町大学と並ぶ名門で京大と東大みたいな感じ。通称ヴィッツだけど、正式名称は長い。)とピーターマリッツバーグのUKZNで激化。ヴィッツでは警察はゴム弾がスタングレネードを使用。映像で見る限り、学生運動というより暴動鎮圧。University of Zululandでは物置が燃やされる。岬町大学は引き続き日曜までの閉鎖を決定。

 ・ 9/22(木)
前日夜に岬町大学の学長が、すべての学生・教職員・その他スタッフに対し、政府の高等教育に対する支出を増やすように嘆願する国会へのデモを呼びかけ。午後にデモは行われる。しかし、岬町大学の反対派学生の中心的なグループは参加せず。その理由はこちらに記載

・ 9/23(金)
岬町大学では大きな混乱なし。学長は貧困世帯における学費問題の中長期的な解決な必要性を提言。世帯所得に応じて学費完全補助と返済が必要なローンを使い分けることを提案。

夕方に学部のウェブアンケート 。対象はすべての学生と教員で内容は「授業の早期再開を望むか?」「学校構内に重装備のセキュリティを入れた方がいいと思うか?」「授業を守るためにに重装備のセキュリティを入れた方がいいと思うか?」などの内容。

国内では混乱が続く。中でもヴィッツとポートエリザベスのNNMUでは対立が続く。

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